ゆびきりげんまんの心理学
ゆびきりげんまんというものをご存知だろうか。
何か約束をするときに相手と自分の小指を絡めさせて「指切りげんまん嘘ついたら針千本のます。指切った」と言って契りを交わす古きからある少年少女が必ず一度は通る日本の風習である。(嘘をついて針千本を飲まされるのはおとぎ話だ。あくまでこの呪文は約束を果たさせる誓いの役割をもつ)
これには2つの心理効果がかかることが期待される
ゆびきりげんまんにより、
実行意図を明確化することによって「一貫性の原理」と「コミットメント効果」が働く。
ゆびきりげんまんで働く心理効果
まず、一貫性の原理とは「一度意思決定をしたり、特定の行動をとると、その意思決定や行動に沿う行動をとりたいと感じてしまう現象」のことである。
選挙前に有権者に選挙に行くかどうか聞き「行く」という言葉を引き出すことで、実際に選挙に行く人が増えるという話があるがそれは「一貫性の原理」で説明できる。
約束を守るという意思決定をすると、内面から「約束を守りたい」と自分を縛るバイアスがかかるのだ。
次に「コミットメント効果」とは、「特定の行動をとる宣言を人前で行うことで、行わなかった時のバツの悪さから、自分を追い込み、その行動を促すことができる心理効果」である。
友達に「半年で5キロ痩せるわ」と宣言することで、もし痩せてなかった時の恥ずかしさから、痩せようとするインセンティブを作ることができる、
『約束を守る』と他者に宣言することにより、外部からの圧力がかかり、「約束を守らなければならない」と自分を縛るバイアスがかかる。
つまり、「一貫性の原理」と「コミットメント効果」により、内部からも外部からも自分に約束を守らせる圧力がかかるのだ。
その結果、ゆびきりげんまんをした時はしなかった時と比べ、約束が果たされる割合が上がると考えられる。
これが、古き”良き”日本の風習だ。
時代錯誤という言葉もあるが、古い概念が人間の本質をうまく掴めているということも往々にある。
そんなことに自分が気付ける考察だった。
参考書籍
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