楽しくやっていたことでも、誰かに指示されたり、強制的にさせられたら、楽しくなくなることが多々あります。
勉強をしようと思っていた矢先、部屋を訪れた母が『勉強しなさい』と言ってきたら、『今やろうとしていたのに、やる気なくなった』と母を非難したような経験が誰にでもあるのではないのでしょうか。
このように、「選択肢を奪われたことによって、その選択肢がより魅力的に見えてしまう」現象を「心理的リアクタンス」と呼びます。
ちなみに心理的リアクタンスはロミオとジュリエット効果とも呼ばれます。
(彼らの恋愛は彼らの親同士が互いを目の敵にしていたので、親に否定された。その結果、心理的な抵抗が生まれてしまい、彼らの恋愛はより灼熱してしまった)
この心理的リアクタンスは『~しなさい』などの命令形にも発動しますが『~したら?』などの提案形にも発動してしまいます。
だから、他の人の行動を変えさせたい時、私たちは夫権主義(パターナリズム)的に、行動を制限するのはご法度ですし、提案するのも逆効果になる恐れがあるので、他者の行動を見守り、その人が自分の間違いに気づくのを待つか、心理的リアクタンスを逆に利用するのがよいです。
心理的リアクタンスの利用法としては、息子がゲームばっかりして勉強をまったくしないことに困っているのならば、ゲームを強制するのです。
すなわち、『家帰って3時間はゲームをしなさい』と命令します。
始めのうちは『なんだこの天国は!』と息子は喜ぶでしょうが、それが何週間も続いたら自分で物事を選択できないことが大きなストレスになります。
それにより、ゲーム三昧から脱却させることができます。
以上心理的リアクタンスの紹介と利用法でした。
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