心理学解説

心理学的解説「保険ビジネス」〜なぜささいな保険に入ってしまうのか〜

保険の心理学


まず、断っておきますが保険に入ることは間違っていることではありません。


例えば火災保険や生命保険など、もし事故が起きてしまったら生活が立ち行かなくなることに対して保険に入って対策するのは理に適っています

しかし、保険ビジネスが成り立っているのを考えると、保険というギャンブルは期待値を下回っていることがわかります


ですから、できる限り保険というギャンブルには手を出さない方が良いわけです。

特に起きたところで生活にめちゃくちゃ大きな支障があるわけではない保険(テレビに対する有償保険など)には多くの場合入るべきではありません。


では、なぜ我々は小さいことでも保険に入ってしまうのでしょうか

考えられる心理効果として「損失回避」、「利用可能性ヒューリスティック」、「確立荷重」、「社会的証明」があります。


まず、「損失回避」です。


損失回避とは「何かを失うことは同じ何かを得ることよりも大きな心理的影響を及ぼしてしまう現象」です。


それによって、テレビが壊れた時の損失を過大に見積もってしまい、「保険に入ってその心配をなくそう」という思いが生まれてしまいます


二つ目は「利用可能性ヒューリスティック」です。


利用可能性ヒューリスティックとは「思い出しやすいものの発生確率を過大に見積もってしまう現象」です。


保険に入る時”もしも”の話を聞かされます。


「もしもテレビが壊れたら、、、」

「もしもロストバゲッジしたら、、、」
そんな話を多く聞いていると、「実際に起きるんじゃあないか」と、利用可能性ヒューリスティックが働いてしまい、実際よりもそれらが起こる確率を過大に見積もってしまいやすくなります


三つ目は「確率荷重」です。


確率荷重とは「確率が低いものの確率を過大評価して、確率が高いものの確率を過小評価してしまう現象」です。


例えば、そもそも、テレビが壊れる確率はどのくらいでしょうか。


人生を振り返るとテレビは壊れたことないし友人からそんな話を聞いたこともないと思います。


テレビは基本的には壊れません。


同じことが他の保険商品にも言えます。


確率荷重により事故が起きる確率を過大に見積もってしまうのです。


4つ目は「社会的証明」です。


社会的証明とは「他の多くの人が行っていることが正しいことであると考えてしまう現象」です。


「保険」が世に浸透するにつれて「みんなやってるし保険に入ることは合理的なことなんだ」と計算を理由にせず、多くの人がやっていることが理由となり、保険に入ることが正しいと考えやすくなってしまいます

まとめると「損失回避」「利用可能性ヒューリスティック」「確率荷重」「社会的証明」により保険に入りやすくなってしまうことが考えられ、保険ビジネスに心理バイアスが関わっているといえそうです。

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