モラルハザード
今回紹介する心理効果は「モラルハザード」です。
モラルハザードとは「お金などのコストがかからないという理由から、自分たちの行動が倫理にもとるものになってしまう現象」です。
言い換えれば、「削るべきところが削られておらず無駄な費用が発生してしまっている現象」です。
この現象は保険の分野で出現します。
自動車保険に入っていると、もし事故を起こしても保険会社が補償してくれるので、保険に入っていないよりも不注意に荒く運転してしまう可能性があります。
また、子供の医療費を区が負担してくれていて、自費がかからない時、私たちは小さいことでも病院に行かせようとしてしまいます。
もし、お金がかかるなら「ちょっと寝たら?」と様子を見るところを「無料」に惹きつけられて、取り敢えず病院に連れて行くという、本来ならしないことをしてしまっています。
その「補償」や「無料」は自分達の保険費や税金から来ていることが頭になく、「補償」や「無料」での治療を受け続けることで回り回って自分に負担がくることにも気が回っていない状態です。
しかし、その負担量は自分が「補償」や「無料」で得られる金額より少なく、利益は独り占め、負担はみんなで請け負っている状態である「共有地の悲劇」も起きてしまっている状態で複雑な問題です。
モラルハザードの解決法として、『自己負担額を増やす』、『基準を設ける』があります。
お金がかかるようにすることで、緊張感を持って運転したり、普段の生活から健康を気遣うように促すことができます。
以上モラルハザードの紹介でした。
参考書籍
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