心理学解説

心理学解説「NIH症候群」〜なぜ他人のアイデアより自分のアイデアのほうが正しいと思ってしまうのか〜

NIH症候群


今回紹介する心理効果は「NIH症候群」です。
NIH症候群とは「NOT INVITED HERE症候群」の略で「自分や自分達で生み出していないアイデアや技術をたとえ良いものだも取り入れようとしない傾向」をいいます。


「NIH症候群」の例として、我らが日本の海軍と陸軍が同じ種類の武器を使わずにそれぞれが武器を製造していたという逸話があります。


当時海軍と陸軍はばちばちの関係だったといえど同じ日本軍なので武器を共有しようと動けばできたはずで、そうすることで武器を作るのにかかる時間的、金銭的な費用を抑えられたはずです。


だから、本来武器を共有することは理に適っています。


しかし、彼らはそうしませんでした。


おそらく、陸軍目線、「目の敵とは言えないまでも犬猿の仲の海軍が作った武器は信用ならないし、あいつらの武器を使えばあいつらに貸しが生まれてしまう」というような思いから武器を独自開発していたのでしょう。


すなわち、自分達が作ったものは他のやつが作ったものよりも信用できるという、「排他的不信用」と「無駄な矜持」によって不合理な「NIH症候群」が起きてしまったと考えられます。

日常生活レベルの「NIH症候群」では「単純な誰にでも思いつくような考え方を自分の意見として言いたくない現象」があります。
独創バイアス」とでも言えるこの現象は
「誰にでも思いつくことは自分の意見ではない」という「NIH症候群」によって発生すると考えられます。

以上「NIH症候群」の紹介でした。

参考書籍
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