ホームバイアス
今回紹介する心理効果は『ホームバイアス』です。
ホームバイアスとは『株式などで投資家の自国の株を買いやすい傾向』のことです。
ちなみに、ホームバイアスは経済学の用語です。
ある調査で対象となったスウェーデン投資家は平均50パーセントの資金を自国の株(スウェーデンの株)に投資していました。
『自分の国の知っている会社の株』に多くの資金を投資する行為は投資先が偏ってリスクが集中してしまい、失敗したときに大きな痛手となってしまう危険な行為です。
また、経済においてスウェーデンが世界で占めている割合は1パーセントです。
だから、安定志向(定石とされている)で行く場合、投資をするときには色んな国のいろんな会社に投資をします。
そして、結果的にスウェーデンの会社に対しての投資割合は1パーセントになります。
その約50倍もの資金を集中して自国の株につぎ込むのはハイリスクで危険な戦略といえます。
ホームバイアスが起きる要因
ホームバイアスが起きる理由の一つとして『情報の手に入れやすさ』があります。
一般的に自国の会社の情報は他国の会社の情報よりもテレビやラジオで話題になりやすいです。
そして、何回も何回もその情報に触れることによって『単純接触効果』が働きます。
こちらの記事でも紹介してます。
心理学解説『単純接触効果』~会えば会うほど好きになる~|行動心理解説@或火メディア
単純接触効果によって、何回も触れている情報(この場合会社)に対して無意識のうちに好意を抱いてしまい、いざ『どの株に投資しようか』と考える段でその会社を選びやすくなるのです。
また、会社の情報に触れることにより、その会社が目につきやすくなります。
それによって数ある会社のリストから選ばれやすくなります。(プライミング効果)
また、『外集団同一性バイアス』がかかり、外国の会社が無意識のうちにステレオタイプ化されてしまい、一様に見えてしまうことも考えられます。
それによって、投資先を考える時海外の会社が候補に挙がりずらくなる可能性があります。
このようにホームバイアスは色んな心理バイアスの上にあるバイアスだと考えられます。
心理学や行動経済学以外の学問を心理学や行動経済学の視点で考えてみるのもなかなかおもしろいですね!
以上ホームバイアスの紹介でした。
参考書籍
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