利用可能性ヒューリスティック
今回紹介する心理効果は「利用可能性ヒューリスティック』です。
利用可能性ヒューリスティックとは『想起しやすい物事の発生確率を過大に見積もり、想起しにくいものの発生確率を過少に見積もってしまう傾向』のことです。
例として『人間を一番殺している生物に関する質問』が挙げられます。
この質問をすると、たびたびニュースで話題になる熊や映画の主役を務めるサメ、百獣の王と名高いライオン、ラジオやテレビなどで聞く殺人事件から人間、などを私たちは思い浮かべます。
これらの生物の共通点は『記憶に残りやすい』ということです。
ニュースで何回も聞いたり、映画や小説で知ることによって記憶に残りやすくなり、それによって思い出しやすくなります。
そして、『人間を一番多く殺している生物は誰?』という難問を前にして、僕らが明確な答えを知らないとき、『人間を一番多く殺している生物は誰?』という質問をより僕らが答えやすい質問に置き換えるプロセスが起こります。
そこで、『人間を一番多く殺している生物は誰?』という質問の代わりに『人間を一番多く殺しているのが想像しやすい生物は誰?』という問題に置き換えて回答するため、トラだの熊だのと答えてしまうです。(ちなみに答えは蚊です)
想像しやすいものの発生確率を高く見積もってしまう現象。
宝くじに当たった人の話を聞いて、『俺も当たるかも』とは思っても『利用可能性ヒューリスティックにしてやられているのでは』と考えられるようになりたいですね。
参考書籍
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この現象は自分が乗る予定の飛行機