自己奉仕バイアス
今回紹介する心理効果は『自己奉仕バイアス』です。
自己奉仕バイアスとは『成功は自分や自分の行動に起因するものだと考え、失敗は周りの人などの環境が原因だと考えてしまう現象』です。
『数学で90点とったのは俺の努力のたまものだ!日本史が30点?問題にセンスがないから仕方ない』など、成功は自分のおかげ失敗は環境のせいだと思っていると、自分の成功に大きく『運』が関係していること(卵巣の宝くじ)を忘れてしまい、成功をひけらかしてしまったり(周りの気分が害されるのは言うまでもない)、自分の失敗の原因が自分の努力不足であることに気づけず、自分の伸びしろを見過ごしてしまうことになります。
つまり、自己奉仕バイアスのよって周りにも自分にも”迷惑”が掛かります。
なぜ、人間から『客観性』を奪うような本能が人間に備わっているのでしょうか。
それには『自信』と『心の安定』が関わってきます。
成功を自分に起因するものだと考えることにより自分の能力に自信が生まれるようになります。
実態のいかんにかかわらず、自信を持って行動する人は、弱気に行動する人よりも『頼りがいがある』ように思われ、他人が付いてきやすくなります。
かつて、集団で生活していた祖先の遺伝子を色濃く受け継いだ僕らは『他人が付いてきてくれること』を重視してその結果、自信を持つために『成功をじぶんのおかげだ』と考えてしまいます。
また、失敗したときに、弱気な姿勢から脱却し心の安定を取り戻すために、『失敗を環境のせい』にしてしまうわけです。
以上自己奉仕バイアスの紹介でした。
参考書籍
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