IKEA効果
今回紹介する心理効果は『IKEA効果』です。
IKEA効果とは『自分で作ったものに対して、違う方法で手に入れたものよりも愛着を持ってしまう現象』です。
例として、半既成食品が挙げられます。
調理済みのエビフライを買うよりも、下ごしらえは施された、あとは簡単に揚げる(もしくは焼く)だけのエビフライのほうが『自分で作った感覚』が生まれることにより、料理行為そのものから得られる満足感が上がるのです。
このIKEA効果は正当化によって引き起こされると考えられます。
客観的に見て徒労に過ぎないとしても、自分の労力を自分の中で認めるという正当化が起こることにより、自分で苦労して作ったものの価値を過大に見積もってしまうのです。
IKEAの商品の多くは自分で組み立てなければなりません。
これを『労力』という『コスト』としても見なすことができますが、『IKEA効果』を踏まえると、『付加価値』としても見なすこともできます。
消費者にとっては『自分で組み立てる』という作業により、その家具の価値を自分の中で高めることができ、満足感を上げることができる上、IKEAは組み立て前の商品を送ることにより、荷物のかさばりや組み立てに必要な人件費を軽減でき、その軽減分を商品の価格低下に回すことができます。
よって、このIKEA効果は消費者にとっても企業にとっても素晴らしい結果を生むものであり、経済学で言うパレート最適(誰かが損しないと誰かが得できない状態)を超えることを可能とするバイアスで、一種の革命とも呼べるバイアスものかもしれません。
参考書籍
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