映画感想文

映画感想文『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』

劇場版『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』

仮面ライダースカルの映画を見てきた。

注意:ネタバレあり ぜひ本編を見てから読んでほしい。

本筋

話の本筋は『仮面ライダーw第一話』の最序盤の話左翔太郎と鳴海荘吉と出会いの話である。

感想

すごくおもしろかったし、すごく満足した。

白状すると、自分は風都探偵を全く見ずにこの映画を見た。

実写の映像作品としての仮面ライダーダブルの知識だけで観に行った。

だけど、めちゃくちゃ楽しめた!

映像作品は一人一人の行動がメインになるから、一人一人の登場人物が何を考えて行動しているのか正確には観客は理解できない。(想像するのがたのしいという話もあるが)

だが、この映画では荘吉や翔太郎が何を思い行動したのかの説明や感情の移りかわりを言葉で説明しているから、登場人物に没頭することができた。

一人一人のキャラクターの感情がセリフで言われるから、始まりの夜でおやっさんを失った翔太郎の不甲斐なさを肌身で知ることができた

個人的名シーン

荘吉がスカルメモリーの最後の残った力を使い切って、星の本棚にいるフィリップに話しかけるシーン

まず、スカルメモリーに対して感謝を述べるシーンがかっこいい。そして、寂しい。

何年も風都を泣かせる悪と戦ってきたライダーの歴史が幕を閉じた感があって寂しかった。

それでも、感謝をのべることで仮面ライダースカルとして戦ってきたこと(相棒との戦いを含めて)を自分の中で認められているのが伝わってきて荘吉自身の成長が見られてなんだかしみじみとした。

次のシーンの、フィリップに荘吉が言った『さあお前の罪を数えろ』がかっこよかった。

赤背景で、その言葉がフィリップの胸に刺さってる演出がかっこよくて一瞬息が詰まった。

ちょっと後のシーンで、荘吉が撃たれ翔太郎が泣き叫ぶのを見たフィリップが『人を泣かすことこそが罪なんだ』と気付く。

それが、後のフィリップの行動原理になってるのが腑に落ちた。

さっき悪魔呼ばわりしていたね。悪魔と相乗りする勇気あるかな。』

感動した。正直、待ってた。

翔太郎がジョーカーメモリを選んだというより、ジョーカーメモリに翔太郎が引き寄せられたような演出もよかった。ぞくぞくした。

そっからのダブルかっこよかった。

ダブルの「変身」の掛け声と、「マキシマムドライブ」の掛け声をあえて入れないことでスカルを目立たせ、同時にダブルに対するハーフボイルド感じとれて演出の妙を感じた。

戦闘シーンでファングジョーカー出ると思わなくて一瞬身を乗り出してしまった。

やっぱかっけえな。

ふいに出てきたサイクロンスカルのダブルもかっこよすぎて震えた。

仮面ライダースカルのギザギザの口元をダブルが受け継いでいるようなデザインがダブルにモンスター的な『怖み』を持たせている(仮面ライダースカルがドーパントと同じ怪人側という劇中の解釈と一致する。)

名言(うろ覚えな点に注意)

自分の犠牲を厭わず他人の力になろうとする精神。』

弱いものに手を出さず、力まで貸す。』

荘吉が翔太郎を認める言葉はやっぱりうれしくて心に残っちゃうな。


撃っていいのは撃たれる覚悟あるやつだけだ。レディ。』

タブードーパントvs仮面ライダースカルのシーンで荘吉が変身前に放つセリフ。

テレビでもこのシーンがあって正直、待ち望んでた。

やっぱりハードボイルドライダーかっこよすぎる。

この戦闘ではタブーとスカルの必殺技同士の相打ちが見られるが、それもまたカッコよかった(テレビでのビギニンズナイトの裏の戦闘がみられて嬉しかった。)

スカルに変身することは一瞬の間死ぬことを意味する。
お前には俺以上の死を味わってもらう。』

仮面ライダースカルVSアントライオンドーパントでの言葉。

風都を泣かす悪に対する心の底からの怒りを冷静に放った言葉。

スカルの能力が活きた戦闘でみごたえあって、カッコよかった。

『あいつ自身は白紙だ。』

ガイアメモリを作っているのがフィリップであると知った翔太郎が『あんな奴を助ける必要ない』と荘吉に訴えかけた時に荘吉が返した言葉の一部分。

白紙だからこそ、周りの人によってどんな色でも塗ることができる。

翔太郎色にフィリップの一部を染めることをおやっさんは期待していたのかな。


『最悪な別れの日でもあるが最高の出会いの日でもある、だからその夜をビギ二ンズナイトとよんだ
。』

フィリップの言葉。どういう風にあの事件と向き合うのか、二人の姿勢を感じ取れる言葉だった。

ポジティブだけで乗り越えようとかじゃなく、しっかり向き合った上でおやっさんが紡いきた道の続きを進もうとしているのが感動的で好きな言葉だった。

ジョーカーはトランプでは最悪のカードだが、スペードや7並べでは切り札になる。』

ジョーカーメモリの二面性を語るシーン。
自分はいつのまにか『ジョーカー=切り札』と一語一訳で考えてしまっていた。

ジョーカーは、ばばでもあるし切り札でもある。

最弱にも最強にもなり得る。

翔太郎のここぞというときの強さに結び付いた。

だから、意表を突かれて『なるほどなー!』と思った。
ジョーカーを使うなら、『どんな絶望の中にいても切り札なる希望を求めろ』といいたかったのかな。




すごく面白くて、テレビで観客が想像で埋め合わしていたところが明確に描かれていてより深くダブルを理解できる作品だった!

仮面ライダーダブル視聴者はぜひ見てみてほしい。


p.s.フィリップが研究していたメモリー画像の1つのヘル(hell)メモリーめちゃくちゃきになる。