はじめに
私たちは、日常生活を送る中でしばしば横文字使いと出会う。
そんな人たちと出会っての反応は人によって異なるだろうが、僕は日本語で言うより英語をそのまま使った方が理解しやすい内容ならば横文字を使われることに対して嫌悪感を抱かない。
例えばインセンティブを『動機付け』と言うと、動機付けという言葉が無理矢理和訳した言葉のように思われて野暮に見える。
しかし、証拠をエビデンスと呼ぶ必要はないし、優先順位は優先順位と呼べばいい。
それらの横文字は日本語で同じ意味を持つ言葉を使うのと同じハードルだからだ。
横文字を変に使い、相手の理解度がさがってしまうのは大問題だ。
なぜ、彼らは横文字を使うのだろうか。
横文字を使う理由
考えられる理由の一つとして『けむに巻くため』というのがある。
つまり、話している内容の薄っぺらさを隠すために、横文字を使い相手の理解を削ごうとしているのだ。
恣意的に難しい言葉や横文字を使うことによって話し相手に『あの人の言っていることはわからなかったけれど、言葉を理解できなかった私が悪い』と思わせるのが彼らの狙いなのかもしれない。
ほかに考えられる理由として『権威効果』というものがある。
権威効果
権威効果とは『自分より身分や立場が上の人の言うことを無根拠に信頼してしまう現象』である。
学校などで、『なんか腑に落ちないけど先生が言ってるから間違えない』と考えてしまう現象である。(往々にして教師が間違えていることもある。教師も人間なのだ)
そして、横文字、並びに英語に対して僕らは無意識のうちに敬意を持ってしまうのではないか。
権威効果と横文字
日本の文化では英語を話せることは一つのステータスである。
中国語やドイツ語と比べて、英語の資格試験の種類の数を考えれば、日本での英語の重要性を理解することは難くない。
そして、日本で普通に育ったら英語を話せるようにはならないことから、英語には希少性がある。
また、世界で最も多くの国で使われている言語であることからくる世界規模での社会的証明の原理が働く。
これらの要素により、英語=すごいものという感覚が生まれ、英語それ自体に尊敬のまなざしが向けられるのではないか。
その結果、横文字をうまく使っている人に対して『すごい!かっこいい!』と思い彼らの言うことを信じたり、逆に横文字をうまく使いこなしていない人に対して、横文字に対する尊敬と横文字を使うのが下手な人の間にあるギャップにより不快に感じるのかもしれない。
参考文献
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